tex で作る NASA アカデミックレポート(1975)レイアウト

たまにはデザインっぽい事をまとめる。レポート用の体裁、レイアウトを考える。

博士課程に関連した提出文章のレイアウトを指導教官の Approval を待っている間に作ろうと思い立つ。こうゆう文字組はかけようと思うと無限に弄り回せるので、時間的投資対効果のバランスをみて考えたいし、かつ、ゼロから美しいレイアウトを考える能力がないので、すでにあるものを派生させることにした。ちなみに内容はほぼほぼできてるので、あとは流し込むだけ。

結論から示すと、下記が最終レイアウトである。

Figure 1: 最終レイアウト

Figure 1: 最終レイアウト

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tex ファイルを使ってみたいと言う方はご自由にどうぞだし変更・提案も歓迎です。(ただし、和文を想定していないのであしからず)

使うものは、latex1 と 1975 年の NASA のグラフィックスタンダード danne1975national 2(以下: NASA 本)latexの参考書として奥村晴彦先生の LaTex 美文書作成入門okumura2017latex 3 (以下: 美文書本) を使った。

Figure 2: 美しい本

Figure 2: 美しい本

時間投資対効果を優先するため、レイアウトを完全に 1 から設定するクラスファイル(cls)の編集を伴う大掛かりなものではなく、preamble で表現しうる範囲で行うルールとする。 NASA 本のページ 5.20 をスキャンして tex でレイアウトをトレースする。このレイアウトは、NASA でのアカデミックレポート用らしい。簡単なので採用。

Figure 3: トレース対象となる例

Figure 3: トレース対象となる例

レイアウトの比率は下記となる。一番左の四角が本文エリアで、右が欄外解説エリアとな る。単位は pt(ポイント)。

Figure 4: NASA 本 p5.20 の Educational Publications の項目にあったデザイン b.をトレースしたもの。単位は pt(相対値をとるため目安として欲しい)。アメリカなのでレター紙を想定している。

Figure 4: NASA 本 p5.20 の Educational Publications の項目にあったデザイン b.をトレースしたもの。単位は pt(相対値をとるため目安として欲しい)。アメリカなのでレター紙を想定している。

マージンは geometry パッケージを使い、それで表現できなそうな(未検証)な欄外の項目については直で指定している。

% margins
\usepackage[
letterpaper,
left=37pt,
right=215pt,
top=84pt,
bottom=62pt,
includefoot,
driver=dvipdfm
]{geometry}
\setlength{\marginparwidth}{149pt}
\setlength{\marginparsep}{23pt}
\renewcommand{\baselinestretch}{1.3} % line height

layout パッケージを使うと、latex が設定されているレイアウトを図示してくれるので便利だったが、レター紙の紙の大きさが 2pt づつ大きかったのが謎。

続いて書体。見出しは Helvetica 14pt,本文はセリフ体 10pt(あるいは時々等幅 font)の使用を薦めている。セリフ体は Garamond か Times を指定しているが、 LaTex の新デフォルトである LatinModern を使うことにした。

% fonts: Use helvetica for headers
\usepackage{lmodern}
\usepackage[T1]{fontenc}
\usepackage[scaled]{helvet}

あとは、タイトルとセクション(とサブセクション)の体裁を整える。文章のタイトルはレイアウトには載っていないので、ここは捏造になるが、グリッド・システムっぽくした。別にグリッドはないし、Tex はグリッドレイアウトにするのはすごく難しいと読んだことがあるので(できない?)そこは研究のしがいがありそう。

% formats maketitle
\makeatletter
\renewcommand\@maketitle{
\vskip -5em
{\noindent \thickrule \par}
\vskip 1.5em
{\noindent \Huge \textbf{\textsf{\@title}}}
\vskip 5em
{\noindent \textbf{\textsf{\@author}}} \par
{\noindent \textbf{\textsf{\@date}}} \par
\vskip 1.5em
{\noindent \thickrule}
\vskip 10em \par
}
\makeatother

% title format
\usepackage{titlesec}
\titleformat{\section}
{\sffamily\Large\bfseries}
{\thesection}{1em}{}

\titleformat{\subsection}
{\sffamily\large\bfseries}
{\thesubsection}{0.8em}{}

あとは、適宜と言う感じだ。おそらくレポートには参考文献等が出てくることが予想されるが、

% bibtex
\usepackage[
backend=biber,
bibencoding=utf-8,
style=trad-abbrv]{biblatex}
\addbibresource{bib/main.bib}
\AtEveryBibitem{\clearfield{doi}\clearfield{url}\clearfield{isbn}}

で見せたい項目を設定している。

一度作っておけば、流用ができて便利なので、まとめて時間をかけて作るのはいいと思った。研究室が Helvetica を崇拝しているので、全体のデザインランゲージにも合致してると思う。とはいえ、Helvetica ちょっとそろそろ辞めたい気持ちがあるのですが、それは守破離で。VolksWagen のテクニカル・ドキュメントに丸文字使っていたのがかっこいいと思ったりしました。

1975 年のアメリカといえば冷戦中、歴史が浅いとコンプレックスを持ちながら、国の文化的水準を諸外国に見せびらかしたいという見栄でこういった公文書に対してもデザイン・アート的な投資が行われていたとどこかで読んだ気がする。間違っていたらすみませんが、 EPA のデザインスタンダードもその一貫かと。

タグ:latex

Bibliography

[danne1975national] Danne, Blackburn & Bonanos, National Aeronautics and Space Administration Graphics Standards Manual, (1975).

[okumura2017latex] “奥村 & 黒木, LATEX2ε美文書作成入門, 技術評論社 (2017).


  1. 文字組用のプログラム。理系の論文投稿はほぼこれなのではないでしょうか。 Microsoft Word を使ってる人はちょっと…驚愕です。 ↩︎

  2. ちなみに PDF 版はこちらから DL できます。デザインやっているものの端くれとして、こちらで売っているものを以前購入した。GridSystems と EPA(アメリカ環境保護庁)の Graphic Standard とともに愛蔵品である。 ↩︎

  3. 69 歳で最初期からプログラミング系の技術書を書かれてますが、第 7 版の 2017 年ではちゃんとバージョン管理について言及されていて、日本の技研でこう言ったものの導入が遅れている中で、対応すべきは対応しているのがやっぱりえらい。 ↩︎