Ledger でつける家計簿 1

以下の理由で、家計簿を付けようと思う。

  1. 日本円と米ドルの持っている量をちゃんと把握したい
  2. これから他の資産を管理する持った時に管理できる体制を整えたい
  3. 子供に対する投資の準備をしたい
  4. 台帳とは何かを知りたい

海外に住んでいると、円とドルの両通貨の管理を並行させなければいけない。サラリーマンではないので、申告も自分でする必要がある。また、米国ではサラリーマンであったとしても納税申告は一人一人の責任なので、お金の管理はある程度する必要がある。税理士に頼むこともあるが、その時も支出の管理は必要だ。滞在年数によって税金の掛け率も変わって行き管理が大変だ。1為替もできるだけ意識して、損の少ない方法で必要な通貨を交換していきたい。

米ドルと日本円の他に、飛行機のマイルも我が家では重要な資産である。家族三人での自腹の一時帰国は馬鹿にならない。クレジットカードや渡航のマイルを利用して、賢く運用していきたい。

また、この先、色々な資産を持つことが考えられる。個人的な勉強のため、極少額(5万円)の仮想通貨を所持している。定住を考え、家を所有するかもしれない。今はその余裕がないが、その他の株式の所有や金といったものに手を出すかもしれない。ただし、自分の帳簿もつけておらず、家計を妻に任せているのに、資産運用と抜かすのはただのギャンブルである。二人で正しく管理したい。親としては娘の将来に対しての貯蓄も考えていきたいし、娘にも親の金の管理の仕方を一つの方法として紹介したい。

最後に台帳とは何かを身をもって知りたい。キャッシュレスになり、金銭感覚の欠如は多少なりともあるだろう、その上、様々な金融商品が発明されており、経済学部を出ていなくとも意識することは多くなった。ブロックチェーンが取り沙汰され、分散台帳と言われて、ピンとこなければまずいと思う。ビットコイン取引をしなくとも、家計台帳をつける事で、少しでも教養がある方が都合が良い。2

かといって、一日台帳管理に明け暮れているのは本末転倒である。正しい方法と道具をもって効率化を図りたい。方法も道具もできるだけ簡単である方がよく、長く使えるものが良い。自分で独自の方法を編み出す能もないので、他の人が試してみてうまくいった方法を採用したい。資産に関する秘匿性がある重要な情報なので、盗まれてしまったり、紛失も避けたい。一方で、税理士や人に部分的に渡す可能性があるし、例えば、家計と事業それぞれの台帳を照らし合わせる必要がある場合もあるだろう。基準をまとめるとこうなる。

  1. 簡単であること

  2. 長く使えること

  3. 方法論として確立していること

  4. 紛失・盗難に対して安全であること

  5. 申告しやすいこと

どれも自明だが、実行は難しい。三日坊主で終わって欲しくないと思う。そこで注目したツールが Ledger という読んで字のごとく「台帳」ツールである。同名の仮想通貨のハードウェアウォレットの商品があるが混同されないようにしたい。一言でいうと、テキストベースの複式簿記システムである。

  1. テキストベースなので究極的には、メモ帳に書いていける。帳簿をつけるさいに新しいソフトを習得する必要もなければ、サービスに金を払う必要がない。あるのは記法であり、その記法の範囲であれば、自由に表現できる。ちょうどノートと鉛筆のようにシンプルである。携帯からもテキストファイルの入力は可能であろう。

  2. テキストなので、長く使える。記法にさえ、準じていれば、メモ帳であとで見返すことができる。パソコンでメモ帳がなくなることは無い。表計算ソフトが入っていなければ、.xls ファイルは閲覧できない。余談だが、研究の分野ではエクセルはとてもヒューマンエラーが多いと悪名高いkrugman2013excel

  3. ベースとなる複式簿記はwikipedia によると 12 世紀から存在するらしいので、方法論として確立していると言える。Ledger そのものツールは 2003 年から開発され、維持されている。比較すると新しいが、15 年以上の開発実績がある。

  4. 紛失・盗難は難しい課題であり、安全性は主観性が伴う。個人的には他の手段と同等以上に安全性が担保されていると思う。まず、極端な例に対応する。本当に心配であれば、あるいは厳重な保管を要する場合は、インストール後、インターネットに接続せずに、使うことができる。ハードディスクの破損等の障害にはそれなりの考慮が必要になるが、それも完全で洗練されたバックアップシステムを構築するのもいいし、 USB ドライブなどに保存してバックアップをとるなどというカジュアルな方法にも対応する。

    とはいえ、ネットに接続しない端末を家庭内で用意するのは今の時代現実的でないだろう。だとしても他の方法と安全性はあまり変わらない。まず、プログラム自体に悪質なバグなどが混入する恐れは低い。なぜならば、オープン・ソースであり、世界中の人がそのようなことが起こらないように監視できる体制ができているからだ。 Microsoft Office はそういったハッキングから毎週ソフトウェアをアップデートする必要があるし、Google Spreadseet や Zaim などのオンラインサービスは、そのサービスを完全に信頼しないといけない。サービス側が自分の監視しているかどうか確認するのはすごく難しく、またそうでなくとも、一時的なサーバーダウンによるサービス停止、あるいは家のネット接続状況によって簿記できなくなることが考えられる。

    自分は、将来妻と二人でそのファイルを編集することも見据えて、Dropbox に保存する事を考えている。この場合でも、Dropbox が信頼に足らないと判断し、他のクラウドサービスに移行する場合もファイルを移動すればいいだけである。

  5. Ledger の詳細機能については、紹介していくが、その真の価値は帳簿から様々なレポートを見ることができるという点である。これらを迅速にみせ、展開できる。レポートの結果もテキストファイルに保存されるので、それをもって他のソフトへのコピペも可能である。

以上の家計帳簿をつける動機から、Ledger というソフトを導入しようと思う。次回から、導入の仕方から使い方をまとめて行きたい。

Bibliography

[krugman2013excel] Krugman, The excel depression, New York Times, 18, (2013).


  1. 正直に面倒であるが、アメリカ人全員がこのような仕組みで苦しんでいる事を考えると、相当な金銭感覚的な教育になっているのではないかと感じる。一重に自分の管理不足だが、日本でのサラリーマン時代は全くそのことに意識的出なかった。 ↩︎

  2. 信頼取引の考え方は私の研究とも被る範囲である。都市計画やまちづくりに投票を導入する場合、その表の行き来を記録手段としての台帳が出てくる。私は正規の経済や家計に関する教育を受けていないが、教養として身に付けなければ、専門の学者とも議論ができない。 ↩︎