the dead end on location tracking apps jp

伝染病感染後発症前の初期段階で検査や自主検疫を促すことで、感染経路を早期特定し、 感染者増加のスピードを抑える事に寄与できると考えられている。これを受け、各国政府 の動きとしてスマホなどの端末を使い個人の位置情報を取得保存する試みが現時点で始まっ ている。

一方で位置情報はいうまでなく個人情報であり、感染拡大を防ぐという公益に対して、個 人の権利を守るというトレードオフが発生する。Private Kit はこのジレンマを解消すべ く、個人情報を守った上で、コロナウィルスの感染経路の特定し感染を遅らせる試みであ る。

私は市民参画型の都市計画についての研究を行っており、この場合も似たような構図が発 生する。個人の都市インフラ利用動向や、意見の集約が必要になるが、その時に位置情報 も重要な役割を持っている。端末の高精度化に従い、監視社会に対する懸念が年々強まり、 個人情報の取り扱いも厳しくなっている。

そこで、今回の感染症拡大について私が日々行っている研究がどのように役立つかを少し 考察した。結論から述べると、今回の感染症に関しては今までの研究を適用することを見 送る事にした。ひとえにプライバシーを守った状態で当該のスマホアプリの高普及率を狙 うのは不可能と判断したからだ。これを Apple や Google がやるならまだ良い。この二 社を信じきるという合意ができていればいいのだ。新しいアプリが信頼を獲得するよりも よっぽど手取り早く本来の目的を遂行できる。

が、

それは、あくまでこの二社を信じきるという前提1がある。歴史的に産業が国民国家よりも 力を持ったことは初めてのことではない。良い・悪いでは無く、コミュニティの総意とし てマーケットや行政(法律・ヒエラルキー)にどれだけ権利を委任するかという話なだけ と言われればそうである。

追記

予想(期待)通り、Apple と Google の Contact Tracing に係る協働が発表された。


  1. Android の場合は端末ベンダーも信じないといけない。 japanese ↩︎